様々な種類や程度の事故がありますが

それを大きく二つに分けると

「防げる事故」と「防げない事故」

の2種類があります。


日常の中で私たちも転んだり怪我をすることはあります。


介護の現場において、「防げる事故」と「防げない事故」は、ケアを提供する環境や状況に応じて異なります。高齢者や障害のある方々を支援する際、事故を防ぐためには予防策や安全対策が重要ですが、予測できない事象や環境が影響する場合もあります。

防げる事故

介護の現場で防げる事故は、適切なケアと予防策を講じることで防止できる事故です。これらの事故は、スタッフの教育や環境整備、利用者の状態に応じた配慮によって予防することが可能です。

  1. 転倒事故
    高齢者や障害のある方は、転倒のリスクが高いため、環境を整備して転倒を防ぐことが重要です。床が滑りやすい場合や、障害物がある場所では転倒の危険性が増します。例えば、手すりを設置したり、滑りにくい床材を使用したり、歩行補助具を使用することで転倒事故を減らせます。
  2. 誤嚥(ごえん)事故
    食事や飲み物を摂取する際に、誤って食べ物や液体を気管に入れてしまうことによる誤嚥事故は、高齢者や嚥下障害のある方に多く見られます。食事介助時に適切な姿勢や食べ物の大きさ、飲み物の温度を確認し、誤嚥を防ぐための適切なケアを提供することができます。
  3. 薬剤の誤投与
    薬の管理や投与の際に、薬剤の間違いや過剰投与などが起こることがあります。薬の種類や服用時間を正確に確認し、記録を取ることで誤投与を防ぐことができます。薬の管理を徹底することで、利用者の安全を守ることができます。
  4. 拘束(身体拘束)による事故
    身体拘束は、適切な理由がない場合には高齢者や障害者に対して危険を伴うことがあります。過度な拘束や無理な体勢での寝かせつけなどは、血行不良や褥瘡(床ずれ)の原因となります。適切なケアプランや補助具を使用し、身体拘束を最小限に抑えることで、事故を防止できます。

防げない事故(介護現場において)

介護現場で防げない事故は、予測できない事象や、自然災害、突然の健康問題などによって発生することがあります。完全に防ぐことが難しいため、事故発生時の対応や予備の準備が重要です。

  1. 急な健康状態の悪化
    高齢者や疾患を持つ利用者は、急に心臓発作や脳卒中などの病状が悪化することがあります。これらは予測が難しく、発症した際に迅速に対応する必要があります。定期的な健康チェックと医師との連携が重要です。
  2. 自然災害による事故
    地震や火事、洪水などの自然災害が発生した場合、避けることができない場合があります。介護施設や自宅での避難計画を事前に立て、非常時の対応を準備しておくことは大切ですが、災害そのものを防ぐことはできません。
  3. 突発的な事故や怪我
    利用者が急に転倒したり、予期せぬ場所で手を切ったりすることがあります。特に歩行が不安定な高齢者では、予測できない事故が発生することもあります。介護スタッフが常に目を配り、リスクを減らす努力をすることが重要ですが、完全に防ぐことが難しいこともあります。
  4. 他者との衝突や暴力
    利用者同士の衝突や、認知症のある利用者が他の利用者やスタッフに対して暴力をふるう場合などもあります。認知症の症状として急に暴力的になることもあり、事前に完全に防ぐことは難しいですが、早期の対応や適切なケアによって軽減することはできます。

まとめ

介護の現場において、「防げる事故」は環境整備、適切なケア、リスク管理、スタッフ教育によって予防できます。一方で、「防げない事故」は予測できない健康の変化や自然災害、突発的な事態に起因するものであり、これらは完全に防ぐことが難しいです。しかし、どちらの場合も事故が起きた際の迅速な対応と事前の準備が大切です。


過去には訪問介護の現場で食事介助中に食べ物を喉に詰まらせてしまい

迅速に事業所への連絡を怠ったとして

事業所と対応した職員それぞれに

損害賠償金1,000万円ほどをそれぞれ支払うよう命じる判決を下した事例もありましたね…


何かあった際は一人で対応をせずに

すぐさまに事業所などに連絡をすることが大切ですね。


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